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憲法審査会発言メモ(2025年5月21日)

2025年5月21日の憲法審査会での発言メモです。
正式な議事録は、内容が確定次第「国会質問情報」に掲載します。

憲法と現実の乖離について

立憲民主・社民・無所属の打越さく良です。

憲法と現実が乖離する場合、憲法99条により憲法尊重擁護義務を負う私たち国会議員は、現実を憲法に近づけなければなりません。

昨年の選挙の結果衆議院の憲法審査会では枝野幸男会長の元、ようやく熟議を尽くせる構成になりました。5月1日共同通信社が公表した世論調査では、改憲の必要性については「どちらかといえば」を含めて70%が肯定したものの、「改憲を急ぐ必要はない」が50%です。さらに、改憲の進め方については、「慎重な政党も含めて幅広く合意形成を進めるべきだ」が72%と圧倒的です。改憲に前のめりな姿勢は諌められているのです。
私が本審査会でこれまで述べてきたように、日本国憲法に違反すると主張されながら改正されずに放置されている法律について調査を行うことは本審査会の第一義的な責務です。
先ほどの共同通信社の調査では、選択的夫婦別姓については実に71%が賛成であり、同性婚についても賛成が64パーセントです。憲法の基本的価値、個人の尊重、個人の尊厳、平等に適う法制度については私たち国会議員は世論がたとえ消極的であっても実現しなくてはいけませんが、今や世論も賛成しているのです。望まれる諸制度の実現を先送りし、憲法尊重擁護義務違反を続けるべきではありません。

憲法は、不平等、差別、理不尽に甘んじず、立ち上がるときの手がかりになります。私は第一次訴訟弁護団事務局長としてまさに憲法を手がかりに多くの女性たちと連帯して選択的夫婦別姓を認めない現行法は憲法に違反すると戦いました。今や芦部信喜先生の「憲法 第八版」において、夫婦同氏強制を憲法違反だとする学説が多数であるとされています。今会期中でぜひ実現すべきだと多くの声が上がっています。また同性婚訴訟では、5つの高裁全てで違憲判断がなされました。

選択的夫婦別姓や同性婚を認めれば、社会の幸せは確実に増えます。多様な幸せを認めなかった家制度がとうに廃止され、家族法は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならないことになっているのです。選択的夫婦別姓と同性婚に反対する国会議員は、そのことを頑なに認めないもので、憲法尊重擁護義務に背を向けていると言わざるを得ません。
本委員会の使命は、こうした憲法に沿わないとされている法律について、立法府として熟議を行うことにあります。

以上申し述べます。

(2025年5月21日)