第204回通常国会では、3年2ヶ月ぶりに参議院憲法審査会で実質的な論議が行われました。

まず4月28日の自由討議では、感染症禍で緊急が拡大している今こそ、緊急事態下の憲法の在り方について議論すべきであるとの主張は、後手後手の政策により政府が憲法25条の果たさないで引き起こされた状況に便乗したものである、そのような主張に与することは、議会人としての矜持を捨て去ってしまうものだと主張しました。
5月19日には、国民投票法案について最低投票率の設定等について十分検討すべきと表明し、6月2日には改憲を前提にした前のめりの議論に終始するのではなく、むしろ憲法に根ざした政治をしていかなくてはいけないと延べ、同月9日には、国民投票法案改正案に賛成、日本維新の会提案の修正案について反対の立場から討論を行いました。なお投票の公平及び公正を確保する必要があることを明らかにする附則は、国民主権からの要請であり、国会に検討を義務づけている条項です。
菅総理は改憲派の集会へのメッセージで、「国民投票改正案が改憲の最初の一歩」と述べました。しかし提出者からも「最初の一歩ではない」と答弁があり、あくまでも手続法の改正で、改憲とは別次元の話であることは参考人からも指摘されています。

そのほか、会期中には、日雇看護師派遣を緩和する政令発出に至る不可思議な経過について追及を重ねました。看護師の日雇い派遣はこれまで原則禁止されてきました。ところが、規制改革ホットラインに規制緩和を提案したNPO法人が看護師派遣業者のダミーであったことが私の質問で明らかになり、その創業者が規制改革推進会議の専門委員として規制改革会議事務局に規制緩和の相談をしていたことなどから、規制改革に名を借りた利益誘導であることがわかってきました。政令の廃止まで厳しく追及を続けていきます。
さらに、生活保護や困窮者支援についても度々質問しました。たとえば、2013年生活保護の扶助基準の引き下げは2012年自民党の生活保護水準10%引き下げの公約の実現に沿うものであり(国側勝訴の判決も自民党の公約の影響を認めています)、「扶助基準の策定は合理的な基礎資料によるべきで、政治的色彩が混入してはならない」とする、厚労省の官僚だれもが読むはずの生活保護法の古典の戒めに背を向けるものだと追及しました(3月22日厚労委員会)。
リプロダクティブヘルス/ライツに関しては、国際基準に沿った包括的性教育が必要であることを求めるとともに、女性の心身に負担のないよう、国際的に安価ないし無料で提供する国もある経口中絶薬が日本でも早期に女性が利用できるようにすべきではないかと求めました(3月22日厚労委員会)。公園で20歳の女性が公園で男児を産み落としたことで刑事責任を問われた20歳の女性が交際相手の男性の同意書が得られず連絡も取れなくなり中絶ができなかった痛ましい事件を取り上げ、母体保護法14条が中絶の際に必要とする「配偶者の同意」は交際相手を含まないことの周知徹底のほか、そもそも、リプロダクティブヘルス/ライツの尊重の観点からは、配偶者の同意要件を見直すべきと求めました(5月20日厚労委員会)。
このほか、このほか、小児がんサバイバーへの支援、施設入所中の子どもの意見表明への支援、障がいをもつ子どもの保育所入所拒否問題等について取り上げました。

7月8日の厚労委員会の閉会中審査では、新型感染症ワクチンの接種業務について、全国の自治体がワクチンの供給状況を確認しながら順次接種に努めていたにもかかわらず、菅総理が五輪をおそらくは念頭に高齢者接種を7月末までに完了するよう号令をかけて自治体にGW返上で計画をたてさせたあげく、ワクチンが十分に確保できず、キャンセル業務まで課すなど混乱を生じさせたことについて反省を求めたほか、未だ管理者の人員すら明らかにされない等、オリパラ関係者の行動規制をすることの実効性がないことを明らかにしました。私に与えられた20分では到底時間が足りず、多岐にわたる国民生活上の問題への取り組みを促すため、国会を閉会している場合ではないと切実に感じられました。

地元を歩いていると、この前まで立ち寄ると「お疲れ様です!」と元気な笑顔で迎えてくれて癒やされたお店のシャッターが閉まっている、感染自体でも大変なのにひぼうされて悲しい思いをした方々が平穏な日常を取り戻せているかな、病院で疲れながらも気をはってお仕事をされている方々も負担が少しでも軽くなったかな、自治体のみなさんワクチン接種業務でどんなに大変だろう、など様々な思いがよぎります。一カ所一カ所、一軒一軒をお訪ねしてご要望をお聞きして官公庁へ伝える。行政に限界があれば法律を改正していく。国会議員としての仕事をじっくりコツコツ取り組んでいきたいです。

(2021年7月21日)