選択的夫婦別姓について
2月28日の参院予算委員会で再び選択的夫婦別姓を取り上げることができました。政府が旧姓の通称使用を進めている理由を質問し、野田聖子男女共同参画担当大臣から「通称使用拡大は選択的夫婦別姓制度の導入までの暫定的な措置と認識」との答弁を得ました。

選択的夫婦別姓を導入しないがための通称使用制度に、莫大な金額が掛かっています(住基台帳システムなどの改修に計194億円など)。それでパスポートに旧姓併記しても、結局海外では旧姓での身元を証明するものとして機能せず、不合理で無意味。選択的夫婦別姓を導入すれば済むことです。

選択的夫婦別姓を実現するに当たって改正を要するとされた法律はわずか4法(民法、戸籍法、旧家事審判法、旧非訟事件手続法)に過ぎないことが、古川法務大臣の答弁で明らかになりました。ちなみに昨年の第204回国会で成立したデジタル改革関連法では64です。

理由中に「日本人同士が海外で結婚した別姓婚は婚姻として有効」と示した昨年4月の東京地裁の判決を受けて古川法務大臣の見解を質しました。婚姻は有効に成立していないとの答弁は、司法の見解をないがしろにするものです。

急に出た「国民各層の意見」のウラは?
第五次男女共同参画基本計画の選択的夫婦別姓部分専門調査会がまとめた素案ではなかったのに突如追加された「国民各層の意見」が気になります。従来からある「国民意識の動向」に、さらに追加する必要があるのでしょうか。パブリックコメントも選択的夫婦別姓について賛成が400件を超え、反対はゼロ。

追加された「国民各層の意見」とは自民党の反対派やブレーンのことか、を問いただしましたが、明確な答弁は得られませんでした。これは人権や平等の問題です。「国民意識の動向」さらには「国民各層の意見」まで持ち出して足踏みさせるのは問題です。

最後に、岸田総理に対して、「施政方針演説で、人生や家族の在り方が多様化していることに触れながら、選択的夫婦別姓を認めないのは不寛容ではないか」と問いました。残念ながら、総理は従来の答弁を繰り返すのみ。「聞く力」を発揮してはくださいませんでした。

旧優生保護法下の強制不妊手術について
会期中の2月22日に大阪高等裁判所が、3月11日に東京高等裁判所が、画期的な判決を下しました。

旧優生保護法が差別的なものであり、憲法に違反するとし、さらに除斥期間を適用しないとして、一審判決を覆し、国に対して被害者へ慰謝料等の支払いを認めたのです。

大阪高裁判決後の2月28日の予算委員会では、岸田総理に対して、「個人の尊重や平等といった憲法を踏まえた施策をしなければならない国が差別・偏見を固定化し、助長したこと、そのため相談の機会が著しく制限されたことは否めないのですから、上告すべきではありません」と求めました。

東京高裁判決は、憲法に違反する法律に基づく施策によって生じた被害について、下位規範の民法を無条件に適用して救済を拒絶することは慎重であるべきと指摘しました。平田豊裁判長が判決の後で、「差別のない社会をつくっていくのは、国はもちろん、社会全体の責任であると考えます。そのためにも、手術から長い期間がたった後の訴えであっても、その間に事情が認められる以上、国の責任を不問に付すのは相当ではないと考えました」と述べられたこと(2022年3月11日共同通信)も重いと3月16日参議院厚生労働委員会で指摘し「国の責任を果たす第一歩が賠償責任を負うことではないか。そして、被害者と面会して謝罪していただけないか」と、後藤厚労大臣に対し質問しました。しかし、にべもない答弁でした。

どちらの判決に対しても、残念なことに国は上告してしまいました。

三幸製菓荒川工場の火災の悲劇を繰り返さないために
2月21日、村上市長政にある三幸製菓荒川工場の火災で6人が亡くなるという痛ましい事件が起きました。この事業所ではこれまでにもたびたび火災が発生し、工場の管理体制に問題があったと言われています。

お亡くなりになった4人の非正規の方々が避難訓練を受けておらず、出火後に棟内が停電した際、シャッター脇の避難用扉を発見できずに逃げ遅れた可能性が指摘されています。

4月7日の厚生労働委員会では、労働安全衛生法上の教育・訓練の義務化や、労働契約法における安全配慮義務の厳格化を求めました。

公立病院を減らしていいのか
感染症禍で改めて公立病院の重要性が明らかになりました。効率ばかり重視し、地域の医療を細らせていく地域医療構想は再考すべきです。

3月16日の厚生労働委員会では、地域医療構想の中で名指しされた436の再検証対象医療機関のうち、2021年G-MIS(医療機関等情報支援システム)で報告のあった336の医療機関が新型コロナ患者を受け入れ可能と報告し、そのうち84%に当たる228の医療機関が受け入れたとの報告があったとの答弁を得ました。

ケアと家族
介護を社会化しようと介護保険がつくられたものの、いまだに家族が相当程度担っています。ヤングケアラーについて関心が集まっていますが、ヤングか否かにかかわらず、家族の教育や就労、生活の保障を考えなくてはなりません。

4月7日の厚労委員会では、要介護度別の在宅サービスの介護給付が上限まで利用されていない点について、「家族に負担がかかっており、非正規雇用のシングル男女が介護を担うことにもつながっているのではないか」と問題提起しました。そして被保険者のみならず、家族への支援への取り組みをさらに進めてほしいと要望しました。

コロナ禍における出産
コロナ禍で、陽性・陰性にかかわらず、妊産婦が付き添いを禁止されたり、母子分離がされてしまっている、また医学的理由がない分娩誘発や帝王切開が行われ、妊産婦が孤独の状況にある、というお話をリプロ・リサーチ実行委員会の方々から伺いました。

私は夫も付き添い、励まされて出産しました。孤立し、不必要な医学的介入がなされた状態での出産が母子に及ぼす影響を思わずにはいられません。

そこで4月7日の厚生労働委員会では、感染症禍で周産期医療の実態把握を要望するとともに、現状は北京宣言行動綱領95条のリプロダクティブライツが侵害されていると言えるのではないか、と質問しました。

WHOが2020年3月産後・母乳育児ケアについて、感染症禍でも今までと変わらない推奨事項を発表していること(帝王切開は医学的に正当な場合にのみ行なわれること等)を踏まえれば、厚生労働省の手引が院内感染対策として「原則として帝王切開にすることもやむを得ない」と明記していることは問題であり修正すべきであること、修正しないならなぜWHO等の提言と違うのか、理由を説明すべきであると大臣の見解を求めましたが、平行線でした。しかし、現状を把握してほしいという要望については、前向きな答弁をいただきました。

生活保護引き下げ処分の違法性
2013年に実施された、史上最大の生活保護引き下げ処分(削減総額670億円)は、生存権を保障する憲法25条等に違反するものだとして、全国で30の原告団が訴訟を起こしています。

原告の請求を認容した昨年2月21日の大阪地裁の判決後、3月22日厚生労働委員会で同判決を取り上げました。本年5月25日の熊本地裁判決は、さらに踏み込み、デフレ調整を導入して生活扶助基準額をさらに減額したことについて、専門的知見を踏まえた適切な分析、検証を怠った点において判断過程に誤りがあり、違法である等としました。判決を国として真摯に受け止めていただきたいと思い、6月7日の厚生労働委員会で取り上げました。

しかし、適切な引き下げだったと言うばかりの厚生労働省の残念な答弁でした。

厚生労働省が進める、級地区分の見直しについても尋ねました。基級地区分の見直しは個々の生活保護基準に直結するものです。

熊本地裁判決を踏まえて、改めて基準部会にデータを全部出し、専門的検証に付すべきではないかと質問しましたが、厚労省は「級地区分と生活保護基準は別の話」と形式的な答弁にとどまりました。

基準部会でも委員から級地と保護基準は不可分との発言も出ています。厚労省の説明は不合理です。

政治とカネ 自民党京都府連のマネーロンダリング
2月28日の予算委員会では、自民党京都府連のマネーロンダリング疑惑についても追及しました。二之湯国家公安委員長は、京都府連に支出した960万円と1,440万円について「決して京都府連と相談しながらこのお金を出したものではない」。

1,440も960もちょうど自民党京都府連の自治体議員の人数48で割り切れます。そして実際に、48人の自治体議員にそれぞれ30万円ずつと20万円ずつ、配分されています。偶然の一致とは考えられないと質しました。

こうした金の流れのスキームを作った元京都府連事務局長は警察OB。警察からマネーロンダリングや脱法行為の指南を受けるためにOBを雇ったのかとも質問しました。二之湯大臣は党勢拡大の実費負担だと苦しい言い逃れをしました。

国家公安委員長は警察の民主的運営と政治的中立性を確保することを目的として設けられています。選挙犯罪の捜査当局は警察です。このような疑惑のある国家公安委員長の更迭を岸田総理に求めました。岸田総理は「必要があるならば引き続き説明を尽くしていただく」と、まるでひとごと。総理のお膝元で起きた河井案里事件への反省が全く感じられませんでした。

感染症、補助犬、病児への教育支援、児童扶養手当……たくさん提案しました
そのほか、3月8日予算委員会公聴会では倉持仁公聴人と和田耕治公聴人に対して、新型感染症の検査体制と後遺症対策、保健所機能のあり方、今後のあり方をどのような組織で検討するべきか等について質問しました。

身体障害者補助犬法の趣旨が徹底されていない問題、脊髄小脳変性症・他系統萎縮症の治療薬の問題、小児がん患者への教育支援、児童扶養手当の金額、教育格差など、多岐にわたる問題を質問しました。

憲法審査会では、自由討議のほか、国会へのオンライン出席の是非、合区問題について、参考人質疑もしました。全ての回にわたり準備を重ね、挙手し、積極的に発言するよう努めましたが、中には時間切れで発言できない回もありました。

熟議を重ねる、良識の府の一員でありたいと心しています。