第210回臨時国会を振り返って①
2022年10月3日から12月10日まで開かれた第210回臨時国会について4回に分けてご報告します。(会議録と動画はこちら)。
今国会では岸田政権の機能不全が目立ちました。官邸と与党との連絡調整すらできていないように見えます。
鈴木俊一財務大臣の外遊が先に決まっていたため、予算委員会は10月17日の週に先送りに。おかげで10日の週は国会が「開店休業」状態となりました。
もともと窮屈だった国会日程が初歩的な段取りミスでさらに窮屈となってしまいました。
また11月には3人の大臣が1カ月のうちに更迭される事態になり、大臣の資質や総理の任命責任について審議時間を取らざるを得なくなりました。
私が所属する厚労委員会では3法案が提出されましたが、審議・成立したのは2法案にとどまりました。
政府・与党の政策遂行能力に疑問が募ります。
旧統一教会被害問題への取り組み①
7月のある日、私は同期の石垣のりこ参議院議員と共に、西村智奈美幹事長(当時)のもとを訪れました。
安倍元総理の殺害事件後、旧統一教会の悪質な霊感商法による被害に世論の関心が集まり、政治が放置してきた責任が厳しく問われるというのに、政府・与党は微動だにしない。
ならば立憲民主党が率先して取り組むべきだ、と考えたからです。
このタイミングで、最大野党執行部の責任あるポストに、筋の通ったことを淡々と、そして毅然と取り組む西村さんがついていたことに、歴史的運命を感じます。
私たちの要請を受けて、西村さんは早速7月21日に旧統一教会被害対策本部の設置を記者会見で表明。同月に本部会合を開催しました。
以来、頻繁に会合を開き、二世、学識経験者、支援者らからヒアリングを重ねました。
私は対策本部副事務局長として閉会中から会合に出席し、質問の準備をしました。
会期前の7月26日には、茂木自民党幹事長は調査もしないまま「旧統一教会と自民党は組織的な関係はない」と断言しました。しかし厳しい世論に押され、8月26日に選挙支援などについて党所属議員に「自主申告」を求めるとし9月に結果を公表しました。
それでもなお安倍元総理や細田衆議院議長と旧統一教会との関係を把握することに、与党は一貫して及び腰です。
国会に特別委員会を設置して調査する必要があります。
統一教会の関連団体である世界平和連合が、2021年の衆議院選挙で自民党議員に推薦確認書を示し、署名した議員もいることが、10月下旬報道されました。
私が予算委員会で質問した10月17日時点でも、改憲や家庭教育支援法案の推進、同性婚の法制化への反対等、自民党の姿勢と統一教会系団体とが共通することは既に判明していました。自民党内の勉強会や政府の諮問会議の有識者として、統一教会系団体で講師をする方が招かれてもいます。
10月19日の予算委員会では、「自民党にどのような圧力が加えられ法令が捻じ曲げられたか、その影響を検証すべき」と岸田総理に問いました。しかし岸田総理は「自民党の政策決定のプロセスに旧統一教会の働きかけが影響を与えたとは認識していない」と事実に背を向ける答弁でした。
当初、与党は被害者救済のための新法を出す意向はありませんでした。
しかし、立憲民主党が法案を準備し、日本維新の会、社会民主党の3党で悪質献金被害救済法案を10月17日提出したのち、4党(自公立維)で法案協議が進められました。
問題が多々残る案ではありますが、政府提出法案が閉会の一週間前に出されました。また野党の要求によって配慮義務の実効性を高める修正等の譲歩も得ました。
数では圧倒的に劣る野党がここまで粘れた理由の一つは、間違いなく、勇気を出して声をあげた二世や元信者、弁護団ほか多くの皆様の後押しがあったことです。
とはいえ、まだまだ不十分。これからがスタートです。
異例の土曜日審議となった臨時国会最終日の12月10日、私は大詰めの参議院消費者問題特別委員会で質問を行いました。
前日に続きこの委員会で質問に立った石橋通宏議員は党旧統一教会被害対策本部事務局長。そして3人の副事務局長、岸まきこ議員、石垣のりこ議員、私(皆1期生です)。
夏から共に頑張った仲間たちで次々と質問を重ねたことは感慨深いです(が、しつこいようですが、これで終わりではありません!)。
(つづきます)②へ