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第210回臨時国会を振り返って②

旧統一教会被害問題への取り組み②

12月10日の委員会で私は岸田総理に問いました。

「統一教会が国会で初めて取り上げられたのは、1969年4月9日の衆議院地方行政委員会であり、実に半世紀以上前から問題にされてきた。にもかかわらず、多くの自民党の政治家がいわば統一教会の広告塔となり、結果として被害が拡大した。2015年の旧統一教会の名称変更は被害をさらに拡大、継続させてしまった。岸田総理は、『未来に向かって』統一教会と関係を持たないことを徹底すると繰り返すが、未来に向かっていくには過去に向き合わなくてはいけないはず。これまでの統一教会との関係や政策決定への影響等を徹底に洗い出し、究明することは、自民党総裁である総理の責務だ。大いなる決意を述べていただきたい」

岸田総理の答弁は相も変わらず「未来に向けて関係を断つ」という空疎なものでした。
深刻な被害がなぜ長期化したのか、トップが検証する決意をせずに過去の癒着関係と訣別ができるでしょうか。

安倍元総理の事件を重大に考え、その死を悼むのであれば、与野党あげて究明すべき。米下院が1970年代に立ち上げたフレーザー委員会のような場が必要です。ところが与党からそのような動きは全くありません。
国会が始まる前の8月3日、西村智奈美幹事長(当時)が茂木自民党幹事長に統一教会をめぐる霊感商法等について特別委員会を設置するよう要請しようとしたところ、要請文の受け取りすら拒否されました。
こうした与党の態度は傲慢不遜と言わざるを得ません。

それでも「指摘を重ねれば少しずつ前進する」と実感する局面はありました。

8月5日、党の旧統一教会被害対策本部の会合で、「旧統一教会に関わる虐待問題について把握しているか」を私が厚労省に確認したところ、把握していないという回答。当事者意識がまるでなく、法務省の旧統一教会問題関係省庁連絡会議にも当初は厚労省や文科省が入っていませんでした。
そこで党として申し入れた結果、両省が追加されました。

10月6日、厚生労働省は「保護者の信仰が関係しても虐待は虐待である」との通知https://www.mhlw.go.jp/content/000998855.pdf を発出しました。
11月1日の厚生労働委員会で私は、通知を評価しつつ「現場はなお戸惑いがあると思われるので、具体的にどのように取り組むべきか周知すべきではないか」と質問しました。

事前レクの段階ではまだ決定されていませんでしたが、質問の前日に「大臣から対応の留意点を整理したものを検討するよう指示が出た」と担当者から連絡を受けました。
このように、レク段階で質問を伝えると、動きが起こることがあります。
加藤大臣に「被害者、二世の方々、現場の声を踏まえたQ&Aにしてほしい」と要望したところ、実際に厚労省は二世にヒアリングをしたそうです。
そして猛烈に頑張ったのでしょう、年内の12月27日、厚労省は宗教を背景とした虐待への対応指針を取りまとめ、全国の自治体に発出しました。

もちろん私の質問準備だけによるものではありませんが、官僚の皆さんの頑張りとの相互作用で前進する手応えを感じます。

そして二世の方々から、「画期的だ」と喜んでいただき、今まで放置されてきた過酷さに改めて感じ入るとともに、嬉しく思いました。
それでもまだいささか抽象的なこの通知、機能するか注視しなければなりません。
さらに11月17日の厚生労働委員会では、旧統一教会が養子縁組斡旋を行っていたとされたことについての質問をしました。
 
統一教会の元二世信者である小川さゆりさんが12月9日の参議院消費者問題特別委員会で参考人として意見陳述されました。以前よりお痩せになった姿は「自分の経験を話すだけでも深く傷つき、体調を崩しながらも訴え続けてきた」という言葉の重みを増しました。

「それは政府が本当に動いてくれるのか信じられない、被害拡大の張本人の与党側にそのような動きが見られないから、被害者がそこまでやるしかなかったという事実を忘れないでいただきたい」

この言葉、政治に身を置くものとして、私も忘れません。
引き続き、政治家との関係の検証、被害者や二世の支援に取り組みます。

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